05年11月20日  差別と拘禁の医療観察法廃止全国集会報告

05年11月20日差別と拘禁の医療観察法廃止全国集会基調 各地からのアピール (到着順) 宮城県 渡部裕一さんから 福岡県 クイナの会 三枝 弘さんから 富山「精神障害者」問題を考える会 四十物和雄さんから 心神喪失者等医療観察法と地域精神医療を考える会・札幌  伊藤哲寛さんから 0の会・笹島日雇労働組合 大野萌子さんから 福岡県・和田智子さんから 参議院議員 朝日 俊弘さんから 衆議院議員 山井和則さんから 参議院議員 福島瑞穂さんから 自治労静岡 寺澤暢紘さんから あの事件が報じられた時の、“これでまた、僕らは誤解され冷たい目で見 られるんだ。”という声が忘れられない。 きっかけとなったあの事件の人はこの法律のもとにいない。 なのに、どうしてこんなにも急ぎ足でこの法律が施行されなければならな かったのか。 当初の予定と違って法の適用者がこんなにも多くいるのはなぜだろう。 このような手厚い予算がどうして先に地域や医療機関の課題に先に向けら れなかったのか。 こんなにも反対する人が多くて施設建設着工が遅々として進まないのはな ぜか・・ 若輩者にはわからないことばかりだ。 精神保健福祉に関わる多くの予算がこの法律に投じられる中、たくさんの 人たちがこの法律に反対している。 わからないことだらけの中、少なくとも僕にとっては反対する人たちの主 張だけがすんなりと理解できる。 僕のような“わからない市民”が理解できる制度であることこそ大切だ。 原クリニック 精神保健福祉士 渡部裕一 ハートインみやぎHP  宮城県精神保健福祉士協会HP 「この困難の時代に」−−これは、最近読んだ本の帯にあった言葉です。 この困難の時代に、私と親しい知人たちは、加齢と病苦と生活苦に悩み、 何も出来ていないのが現状です。  しかし歌にでもあるではありませんか。「ドブに落ちても根のあるやつ は、いつしか蓮(ハチス)の華と咲く」。11・20全国集会の皆様たち とともに、情報と認識を共有して、新しい戦いの地平を築き上げましょう。 クイナの会   三枝 弘 「差別と拘禁の医療観察法の廃止を!11/20全国集会」                への連帯アピールと闘いの報告         富山「精神障害者」問題を考える会(世話人 四十物和雄)               全国で「心神喪失者等医療観察法」と闘っている全ての仲間へ、北陸・富 山の地より、連帯のアピールと闘いの報告をします。 9、11衆議院選挙における小泉の圧勝を一大通過点として、医療観察法を 巡る動きも、「国民の合意」なる「虚為」を盾に地元住民の意思をも無視 し、観察法入院の強行―施設建設着手(愛知・東尾張病院を突破口)に突 撃を開始しているようです。 また、福祉施策を削減し、「障害者」「病」者を「市場(労働力価値を主 軸とした)価値を尺度として選別分断し、「自立」ならぬ「ソフトな地域 管理」の移行を目指す「障害者自立支援法」のゴリ押し的制定がなされま した。  この二つの動きは連動しているようです(あと「尊厳死法」制定が残っ ているだけです)。同様に、【「社会秩序への統合とその内部での選別」 ―「統合からの排除(隔離―抹殺)」】という暴力的二分法=分断は、障 害者政策のみならず全社会的規模でなされようとしている気がします (「勝ち組」「負け組」と言う言葉の流行は、小泉圧勝―市場独裁主義・ 福祉国家解体の流れを賛美している状況を示していると思います)。 この動向は、財政赤字770兆円―今後の社会保障費の増大を「理由」とし て【「無駄遣いの削減」―「小さな政府」―市場(独裁)主義】、ますます 加速しています。 だからこそ、私たちはこれに抗する基本的立場として、「無駄遣い削減」 を第一に掲げる事には反対です。そうではなくて、社会的連帯(見知らぬ 「弱者」との相互連帯)強化のための「大きな政府」(個人負担の強化とは 反対の)を掲げる必要がある、と言いたいのです。そのために、財務省な ど機軸官僚主導(小泉の「改革」は「弱い役人・役所」をスケープゴート とした「危機管理政府」づくりでもあるのです。その一環として「観察 法」もあると思います)の民主的手続きの形骸化と対決していく必要があ るように思います。 私たちは、今こそ民衆自身の連帯・支えあい・友愛etcの積み重ねが非常 に大切だと思っています。その為には、「観察法」適用者の支援活動を即 先して行う事。その経験を通した相互扶助・連帯性の、以前の狭い枠組み を越えた形での再構築が必要だと思っています。「他者からの自由」では なく「他者と共に」が問われているのだと思うのです。そういう考えをメ ッセージとして送りたいと思います。 富山においては、マスメディアの報道による限り、「観察法」の適用は未 だなされていないようです(11月14日現在)。しかしいつ適用されても不 思議でない状況は同じです。そういう認識の下、私たちも富山県弁護士会 に対して、「観察法」の乱用に対する「人権擁護の砦」としての役割を果 たすよう「申し入れ」を行いました(9月27日)。 残念な事に、2ヶ月近くなるにもかかわらず弁護士会からは何の返答もあ りません。地方の空気(弁護士の過疎地からくる検察・裁判所との馴れ合 い関係の日常化、人権感覚の麻痺)を反映しているのかもしれません。 「精神障害者」問題そのものに関してもほとんどの弁護士が敬遠してきた 経過(知人であった「病」者が病院内での「患者間トラブル」によって、 傷害致死に至らしめられた事件での民事訴訟時の困難)を考えると、頭が 痛くなります。[註] ――――――――――――――――――――――――――――――――― [註]事務局を通したはたらきかけは今後も継続して行きますが、事務局 には弁護士が一人も居らず、何がどうなっているのか?私たち外部の人間 は知りたくても知る事が出来ません(この閉鎖性は、「人権擁護の砦」と しては相応しくないので、この職能団体的閉鎖性を改革してもらわなけれ ば、どうしようもありません。私たちの切実な要望に機敏且つ適切な対応 ができません) それで迂回路として、過去において。知人の民間精神病院下での、患者間 トラブルでの死亡事件をめぐって、「医療過誤訴訟」を依頼した弁護士と 連絡を取りました。 彼は「医療観察法」に関する日弁連の研修会に参加しており、「申し入れ 書」にも賛同してくれました。その上で、現在の弁護士会は、副会長が役 員会の招集を行っており、議題があれば各役員のスケジュール調整をして 会議を開く仕組みになっている事。実際必要な事を決めその責任者(担当 者)を決めるのに2〜3回の役員会(その間に担当者候補の選定と承諾があ る)を開く必要があるので、申し入れに対応するのには3ヶ月ぐらいかか るだろう。という事を答えてくれました。 もし、「観察法」の適用者が出た場合は、弁護士会からつく付添い人を中 心とした緊急態勢を作る事になるだろう。とのことでした。ただ彼には積 極的に関わってくれる様に頼みはしました(富山では頼りないとはいえ= 民事の時での経験から=真面目な弁護士は彼ぐらいしか知らないので)。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― こういう時期こそ、全国の闘いの連携が必要です。愛知の東尾張病院での 強行入院開始―収容施設建設に対する現地の人々の呼びかけ・闘いに応え 、連帯を強化して行きたいと思います。 と同時に、全国の戦う仲間へ、私たち東海・北陸地区のもう一方の入院施 設として建設―収容に突き進んでいる北陸病院(来年2〜3月完成予定)に対 して、私たちと共に抗議を行ってくださるようお願いします。 今後とも共に生き抜き、闘いましょう。 【抗議・抗議先】 ※ 国立病院機構北陸病院 古田壽一院長殿 電話・・・・・・0763−62−1340 ファックス・・・0763−62−3460   住所・・・〒939-1851 富山県南砺市信末5963 モデル文・・・ 「観察施設の建設工事を中断し『観察病棟建設計画』の凍結を求めます」   医療観察法の廃止と地域生活支援体制の構築  我が国は、精神科医療の改善、リハビリテーションの充実、精神障害者 の生活権保障、権利擁護など、精神障害者のために取り組むべき最優先課 題を長年放置したままにしてきた。 その一方で、一部の精神障害者を一般の精神医療から切り離し特別病棟あ るいは保護観察所の管理下に置いて強制治療を行なう「心神喪失等の状態 で重大な他害行為を行った者の医療及び観察に関する法律」(医療観察法 )」を制定した。平成17年7月にこの法律が施行され、すでに精神障害 にあるとされた対象者が審判に申し立てられ、入院決定も下されている。 この法律は、危険な精神障害者の存在を強調し、その隔離によって国民に 偽りの安全を保障しようとするものであり、この法律の施行によって精神 障害者はあらたな偏見と差別に晒されることになる。 実際、法の運用が進むにつれこの法律が孕む問題が次々に明らかになって いる。たとえば、指定入院医療機関の設置予定地域では偏見に基づく反対 運動が高まり精神障害者への恐怖が強化されていること、我が国の精神医 療の貧しさが皮肉にも指定入院医療機関の設置を頓挫させていること、そ のために代用指定入院医療機関の設置も検討されていること、この法律の ために莫大な財政支出がなされる一方で精神保健医療福祉の改革の可能性 が関連予算圧縮の中で閉ざされていること、軽微な傷害(未遂)事件まで も申し立ての対象とされ不要な鑑定入院や審判が行われていることなど、 施行直後からさまざまな矛盾が露呈されている。今後、施行が進むにつれ、 さらに深刻な問題が起こることが予想される。 私たちは医療観察法が孕む問題を指摘し、その制定に反対してきたが、法 施行後その指摘が杞憂ではなかったことが明らかになりつつある。今後は 法の廃止も視野に入れて、この法律が孕む問題を指摘し続けるとともに、 精神障害者の地域生活支援体制の構築こそがすべてに優先されるべきであ ることをあらためて訴えたい。 平成17年11月20日 心神喪失者等医療観察法と地域精神医療を考える会・札幌 代  表:伊藤哲寛 事務局長:太田隆男 医療観察法に取り組むには、関係者との連携が欠かせないと思いますが、 社会のなかで立場も力も、私たちより強い行政や専門職の方たちと話が通 じることはめったにありません。彼らのそれぞれに事情や思惑を背負って の言動には、こちらとしては、不信感が募るばかりです。適当にストレス 解消しながら、つぶれないように続けたいです。といっても、ネットワー クの情報に感心するばかりで、自分ではなかなか動けませんが。国・行政 や専門職、関連企業などが力を合わせて差別の構造を熱心に作り上げてい く構図は、いつの世も変わらないのでしょう。あきらめることなく、皆と 連帯して、立ち向かいたいです。東京集会の成功を願っています。がんば りましょう。(福岡県・和田智子) 「差別と拘禁の医療観察法の廃止を! 11/20全国集会」 ご参集の皆様へのご挨拶 本日、「差別と拘禁の医療観察法の廃止を! 11/20全国集会」にご参集の 皆さまにおかれましては、日頃より、精神保健福祉施策をはじめ、諸課題 に全力で取り組みを進められていることに対しまして、心から敬意を表し ます。  本日のご参加、お疲れ様です! あいにく私は他の日程とダブってしま い、この場に駆けつけることができず、申し訳ありませんでした。  皆さんご承知の通り、心神喪失者等医療観察法は、去る7月15日、指定 入院医療機関の整備が滞る中、見切り発車で施行されて以降、約4ヶ月。 新聞紙上を見る限りにおいても、この法律による申立件数は枚挙に暇があ りません。また、指定入院医療機関の整備をめぐる混乱も周知の通りの状 況です。  政府によると、10月末時点での申立件数は85件、うち審判による入院決 定が18件、通院決定3件、不処遇(この法律による医療を行わない旨の決 定)2件、申立そのものの却下が1件、と聞いております。  この法律の抱える問題については、今さら繰り返すまでもありません が、現時点においては、法施行が適切に行われているかどうか、きちんと 検証していくことが、立法府たる国会議員である私の役割だと思っております。  法律附則第4条に施行5年後の国会報告および検討規定が明記されている とおり、5年後には施行状況を踏まえた上での然るべき検証が必要となり ます。しかし、今現在、そして今日明日にも、この法律の対象となる人、 一人ひとりにとっては、5年先の見直しなど何の役にも立ちません。  私は引続き、参議院厚生労働委員会の場を通し、逐次、医療観察法につ いて喚起し、検証を続けていく所存です。  ご参加の皆さま方に置かれましても、おのおのの立場からの問題提起を 粘り強く共に行っていただくことを切望いたします! 2005年11月20日 参議院議員 朝日 俊弘 衆議院議員 山井和則  〒100‐8981 千代田区永田町2-2-1 衆議院第1議員会館240号室 TEL 03-3508-7240 FAX 03-3508-8882 差別と拘禁の医療観察法の廃止を! 11/20全国集会 御中 メッセージ 本日の差別と拘禁の医療観察法の廃止を!11/20全国集会の開催を心からお 慶び申し上げることができません。関係者のみなさんが、このような集会 を開催しなくても済むようになることが、本当に慶ばしいことだと考えま す。 さて、7月15日に「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療 及び観察等に関する法律」が施行されてから、10月末までに、速報値で85 名に法が適用されました。 また、法に基づく入院施設の整備が不十分なまま、現に、入院施設がない ことを理由に、入院の請求に対して通院の決定が出された例も報道されて います。これは、逆に、入院施設の整備が進めば、本来通院医療でよい患 者までもが、この法律により強制入院させられるケースが出てくるのでは ないかという疑念を生じさせます。法案審議の中では、隔離ではなく手厚 い医療により早期に社会復帰を図る理念が語られていましたが、実際にそ のようになっているかを今後とも検証してゆく必要があります。 法案審議の中でも明らかになったように、このような特別な法律を作る以 前にやるべきことが、精神科医療、福祉の分野には山積みです。それは、 現在も全く変わっておりません。 衆議院厚生労働委員の1人として、私も精神障害者のための医療・福祉・ 雇用・住宅などの施策推進のために、皆様と共に全力で取り組んで参る所 存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 本日ご参集の皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、メッセージ とさせて頂きます。 2005年11月20日 メッセージとして 差別と拘禁の医療観察法の廃止を全国集会 福島みずほ 皆さんの日ごろのご活動に心から敬意を表します。 一昨年春法務委員会での医療観察法案の強行採決から、早二年半がたち、 本年7月15日、ついに施行となりました。 再犯の予測行為、という、およそ不可能なことが求めれるこの法案に全力 で反対しましたが、結果はいたりませんでした。 現在、施行後わずか4日ゲルで、軽いケースも含め、法律の適用者はすで に100名弱まで達しています。 これはまさに、実質上の「予防拘禁法」であり、「保安処分」としての運 用の現われだと思います。 精神に障害を持つ方を指定入院医療機関に「隔離」しておけばよいと、地 域での共存をはなから否定するだけでは、真に人権は守れず、また社会と しての成熟も決してありえません。 これからも、この法律の監視を皆様とともに行い、廃棄をめざしていきた いと思います。 皆様方の活動を心より応援しています。一緒にがんばりましょう。 保健所の現状について(集会当日に間に合わなかった提起) 管内人口 約50万人 8市町  精神病院(公立 1(総合)、私立 5、診療所 3) 保健所スタッフ 本所 主幹 1、保健師 2、支所 1、分庁舎 1) 生活支援センター 2、 通所授産施設 1、 援護寮(ショートステイ) 1、 共同作業所 5、 病院デイケア 1、 関係警察署 7ヶ所 夜間、休日の救急病院は2病院を指定して、交代制で実施。 市町村合併の状況  合併前 15市町、合併後 8市町  保健所の通常業務は相談、訪問と毎週1回のディケアを4名の保健師が 担当、その他事務処理として外来公費、手帳交付事務がある。ケースによ っては市町村保健師との連携は行われている。  緊急対応ケースは、月2〜3件、しかし家族の要請で警察官の「協力」 による夜間、休日の当番病院への入院はさらに月、数件はある。  その他ウエートの大きい業務は、問題行動のある当事者の近隣住民との 調整がかなりあり、ケースによっては、継続的に「ケース検討会」を開催 する場合もある。  いづれにしても、折からの自治体の財政抑制策により、職員配置は押さ えられ、県内の自治体で精神保健福祉士を専任で配置しているところはな く、保健師中心の状況である。  医療観察法における「地域処遇」を考えた場合、現状の業務量では、 「通院指定者」を1人でも担当するようになれば、通常業務への多大のし わ寄せが大きく来ると思われる。  問題が生じた場合の近隣住民とか、関係機関との調整等で現実的には連 携体制がとられたりで、保護観察所から招集がかかれば動かざるを得ない と考える。しかし、これまでのように、本人の同意や家族の了解を得なが ら、生活支援のための活動をするのと異なり、保健所や市町村が「住民サ ービス」業務ではなく、地域生活の「監視役」的な業務を背負わされるこ ととなり、矛盾である。  とりわけ本人情報を守秘しつつの活動は、本人同意が得られたにしろ、 どこまで地域で受け入れられるかは疑問がある。  それは、大半がそうであるといっても過言ではないが、地域住民との 「ケース検討会」は精神障害者排除の論理がまかり通ることはしばしばで ある。  行政が、日ごろから相談、訪問活動が十分対応できていれば、いくらか 状況は違うと思う。  最大の問題は、緊急事態の際の対応である。現状は警察に協力をしても らうことが前提となっているといっても過言ではない。したがって、警察 を頼みとするようでは、「保健。医療活動」とは言えず、一般科と同様の 「精神科救急体制」が必要である。  安心して地域で暮らすための、サービスには精神科の場合は「救急」対 応が大きな問題であり、それにあわせて、身近なところでの相談窓口と利 用しやすい「居場所」の確保が求められることと考える。  医療観察法の「地域処遇」を考える前に、地域サイドの「生活支援体制 」の点検、整備拡充と、警察に依存しない精神科救急の整備が行われるべ きではないのか。しかし、「障害者自立支援法」の施行で、精神障害者の 受診や施設利用が、自己負担の増加等で遠のくことが想像され、行政の行 う無料の相談、訪問、さらには無料の保健所デイケアの効果的な展開を模 索することが一つの対抗策かと考える。 05/11/19               (文責 自治労静岡 寺澤 暢紘) このページトップへ ホームへ