障害者権利条約と私たち精神障害者の主張、
そして今後に向けて 060909 山本真理

権利条約WNUSP、全国「精神病」者集団の取り組み年表
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障害者全体としてなぜ権利条約が必要か
ピープルファースト、
私たちはまず人間だ、ほかの人と平等な人権がある
拘束力のある国と国の約束としての条約が必要

障害者以外の人ほかの人に保障された人権が実質的に保障されること   実質的に保障されるということは 個々人にとって必要な合理的配慮がなされること。   たとえば、すべての成人に参政権が法によって保障されている、しかし外出できない障害者、選挙公報が読めない、候補者の放送も聞けない人は実質的には参政権を行使できない。これに対してそれぞれ個々人が必要な合理的配慮を保障することが実質的人権保障   そしてこうした合理的配慮がないことは差別であるこ と

精神障害者としてこの条約に何を求めたか、
そして何を勝ち取ったか


WNUSPの方針
1 強制入院強制医療の廃絶
  強制医療は拷問である、という文言を作業部会草案で勝ち取る

最終的に勝ち取ったもの
  少なくとも強制医療強制収容を許容する文言を書かせない
  すべての人に法的能力があり、それを行使するための支援が保障されること(12条)
  人しての精神的肉体的不可侵性を尊重される権利(17条)
  完全で自由な説明と同意(25条)

2 精神障害者が障害者の一員として認められること
  精神障害者はどこの国でも障害者、と認められない特別扱いの例が多い
  精神医療の下での「患者」から 心理社会的(サイコソシャル)障害者へ

最終的に勝ち取ったもの  

精神的という用語が使われており、心理社会的障害という主張は通らなかったが、精神障害そのものは第1条において障害者として認められた

3 条約の文言以上にわれわれが勝ち取ったのは障害種別地域を越えた障害者団体の団結と連帯  

国際障害同盟、そして条約に向けて作られた、国際障害コーカス(障害者団体だけではなくその他の団体も入ったネットワーク)によって、議長草案に対する対案が数ヶ月でまとめ上げられ、WNUSPの主張は全障害者団体のみならず国際障害コーカスの主張として支持され、国連の場で主張された。

 

この障害者団体のリーダーシップと団結そして連帯こそが私たちが獲得し、そして今後も強化されていくべき宝  国内においても日本障害フォーラムが全国「精神病」者集団の主張を支持、それに沿った意見書を日本政府に出し続けてきた。

 

とりわけ日本政府代表団顧問として東弁護士が参加、その働きかけで司法へのアクセスという条文が作られたことの意義は大きい。今後反保安処分の闘いそして刑事司法手続きにおける合理的配慮の問題としてこの条文を深めていきたい



  今後に向けて

障害者権利条約を絵に書いたもちにしないための、有効な国内監視機関、国内法の制定などなどがこれからの闘いとなるが、その前提として、草の根からの一人一人の障害者の人権主張が最も重要。

各地に権利主張センターをそして私たち障害者こそが、この国のすべての人の人権水準を引き上げるという誇りをもってたたかうこと。



障害者権利条約草案抜粋 仮訳
第1条 目的(抜粋)  

障害者とは、長期にわたる身体的、精神的、知的、感覚的欠損を持つもので、さまざまな障壁との相互関係の中で、他の人と平等に完全で有益な参加を妨げられてうる人をふくむ。


第12条 法律の前における平等の承認
    1 締約国は、障害のある人が、すべての場所において、法律の前に人として認められる権利を有することを改めて確認する。
    2 締約国は、障害のある人が生活のあらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力(原注:アラビア語、中国語及びロシア語において、「法的能力」という言葉は「法的な行為能力」というよりもむしろ「法的な権利能力」を意味する。)を享有することを認める。
    3 締約国は、障害のある人がその法的能力を行使する場合に必要とする支援への障害のある人のアクセスを提供するための適当な措置をとる。
    4 締約国は、国際人権法に従い、法的能力の行使に関連するすべての措置が濫用を防止するための適当かつ効果的な保護を定めることを確保する。その保護は、法的能力の行使に関連する措置がその者の権利、意思及び選好を尊重し、利益相反及び不当な影響を生じさせず、その者の状況に比例し及び適合し、可能な限り最も短い期間適用し、並びに権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関による定期的な審査に従うことを確保しなければならない。この保護は、そのような措置がその者の権利及び利益に影響を及ぼす程度に比例したものでなければならない。
    5 この条の規定に従うことを条件として、締約国は、財産の所有又は相続についての、自己の財務管理についての並びに銀行貸付、抵当その他の形態の金融上の信用への平等なアクセスについての障害のある人の平等な権利を確保するためのすべての適当かつ効果的な措置をとる。また、締約国は、障害のある人がその財産を恣意的に奪われないことを確保する。


第13条 司法へのアクセス
    1 締約国は、障害のある人がすべての法的手続(調査段階その他の予備段階を含む。)において直接及び間接の参加者(証人を含む。)として効果的な役割を果たすことを容易にするため、障害のある人のための他の者との平等を基礎とした司法への効果的なアクセス(手続上の及び年齢に適した配慮の提供によるものを含む。)を確保する。
    2 障害のある人のための司法への効果的なアクセスの確保を助長するため、司法運営の分野に携わる者(刑務官及び警察官を含む。)に対する適当な訓練を促進する。


第14条 身体の自由及び安全
    1 締約国は、次のことを確保する。
      (a) 障害のある人が、他の者との平等を基礎として、身体の自由及び安全についての権利を享有すること。
      (b) 障害のある人が他の者との平等を基礎として自由を不法に又は恣意的に奪われないこと、いかなる自由も法律で定めることなしに奪われないこと、並びにいかなる場合においても障害の存在により自由の剥奪が正当化されないこと。

    2 締約国は、障害のある人が、いかなる手続を通じても自由を奪われた場合には、他の者との平等を基礎として国際人権法による保障を受ける権利を有すること並びにこの条約の趣旨及び原則に従い取り扱われること(合理的配慮の提供によるものを含む。)を確保する。

第17条 個人の不可侵性の保護

 障害のあるすべての人は、他の者との平等を基礎として、その身体的及び精神的な不可侵性を尊重される権利を有する。


第19条 自立した生活及び地域社会へのインクルージョン

 この条約の締約国は、障害のあるすべての人が他の者と平等な選択を有して地域社会で生活する平等な権利を認め、また、次のことその他を確保することにより、障害のある人によるこの権利の完全な享有並びに地域社会への障害のある人の完全なインクルージョン及び参加を容易にするための効果的かつ適当な措置をとる。

    (a) 障害のある人が、他の者との平等を基礎として居所並びにどこで誰と住むかを選択する機会を有し、かつ、特定の生活様式で生活することを義務づけられないこと。
    (b) 障害のある人が、地域社会における生活及びインクルージョンを支援するために並びに地域社会からの孤立及び隔離を防止するために必要な在宅サービス、居住サービスその他の地域社会支援サービス(人的支援を含む。)を利用することができること。
    (c) 地域社会における公衆向けのサービス及び設備が、障害のある人にとって平等を基礎として利用可能であり、かつ、障害のある人のニーズに応ずること。

25条 健康(抜粋)

(d) 保健の専門家に対し、特に、訓練を通じて並びに公的な及び民間の保健ケアに関する倫理基準の公表を通じて障害のある人の人権、尊厳、自律及びニーズに関する意識を高めることにより、他の者と同一の質のケア(十分な説明に基づく自由な同意を基礎としたものであることを含む。)を障害のある人に提供することを要請する。

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