ネットワーク・ニュース NO.12

 2007年10月20日発行
 発行
 心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク
    連絡先
 板橋区板橋2-44-10-203ヴァンクール板橋北部労法センター気付
   e-mail :kyodou-owner@egroups.co.jp
    郵便振替口座 00120-6-561043  加入者名 予防拘禁法を廃案へ!
                                   
Octorber.2007
 
目次
 
    差別と拘禁の医療観察法の廃止を! 11・18全国集会・ ・1
    施行2年の今、医療観察法の廃止に向けて 7月29日集会報告・・3
    心神喪失者等医療観察法の持つ問題点と今後・龍眼・・・・5
    集会に寄せられたメッセージ ・・・・・・・・・・・・・6
    新たな保安処分との対決へ・・・・・・・・・・・・・・・9
    医療観察法適応 最近の事例から・・・・・・・・・ ・10
    パンフ紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

差別と拘禁の医療観察法の廃止を! 11・18全国集会
医療観察法の05年7月15日施行から2年有余、微罪での適用、遠方施設への入院等が行われ、保安処分施設の医者は「4人に1人は入院不相当」と指摘しています。
決定も、東京など東では入院、大阪など西では通院の比率が多いなど判断基準は曖昧なままです。
退院請求に対する「不許可決定」も幾つか出され、期限無き拘禁が現実化しています。国が医療観察法と「車の両輪」として充実させると言っていた精神科医療全般は、相変わらず貧困のままです。入院医療費は、一般の精神科病院の年365万円に対し医療観察法では年2200万円。
この法の施設が人格障害者用特別病棟化する危険性も指摘されています。
明らかに不利益処分である、この法は、憲法39条に定める、2重処罰の禁止、に反しています。国がいかにこの法を「医療法」と言いくるめようとも、2年間の適用・運用実態は、裁判所主導で進められ、医療が保安処分体制の従属物になっていることを示しています。
昨年から法制審議会「刑務所被収容人員適性化方策に関する部会」で新たな「保安処分を創る」(杉浦元法相)ための審議が9回行われました。
今年6月「再犯防止」を強く打ち出した「更正保護法」が成立しました。医療観察法で保安処分の突破口を切り開いたこの国は「再犯防止」を錦の御旗に更に保安処分体制の強化を図っているのです。
この法の見直しは2010年。保安処分施設建設は反対運動のなかで国が想定したようには進んでいません。
障害者権利条約に政府も署名しました。新たな情勢の中で、法の「見直し」作業が開始・促進されていくだろう来年、廃止にむけて私たちはどのような運動を展開していくのか。その論議の場にしていきたいと思います。多くの皆さんの結集を訴えます。
    ◆ 日時   07年11月18日(日)13:00〜16:30
    ◆ 場所   大崎第一地域センター・区民集会所 第一集会室
    ◆ 交通   JR山手線 五反田駅下車 徒歩7分(地図)
    ◆ 資料代  300円
    ◆ 集会内容
     
      ● 問題提起  ・龍眼さん(ネットワーク)
      ● 池原 毅和さん(弁護士)
      ● 富田 三樹生さん(精神科医)
      ● 朝日 俊弘さん(民主党前参議院議員)
      全国各地の仲間からの発言
      討論 など

    ◇全国交流会
     11月17日(土) 18:00〜21:00 中野商工会館
    ◇心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク第4回総会
    11月18日(日) 10:00〜12:00
    大崎第一地域センター・区民集会所
    *全国から参加される当事者の仲間の交通費は、ネットワークで最低5000円を負担します。
    ■ 心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク
      東京都板橋区板橋2−44−10−203 北部労働者法律センター気付
      E-mail:kyodou-owner@egroups.co.jp 
    TEL/FAX:03-3961-0212



施行2年の今、医療観察法の廃止に向けて 7月29日集会報告
2007年7月29日、「医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク」と「国立武蔵病院(精神)強制・隔離入院施設問題を考える会」の共催で、「施行2年の今、医療観察法の廃止に向けて」と題した集会を開催しました。当日は参議院議員選挙の投票日とぶつかってしまいましたが、55名ほどの方々にご参加頂きました。法の施行後も変わらず、多くの方々にお集まり頂き、医療観察法を批判的に検討する集会を定期的にもてることは貴重なことだと感じました。

はじめにネットワーク代表の龍眼さんより、基調報告として「心神喪失者等医療観察法の持つ問題点と今後」が示されました。医療観察法の主たる問題点として、法律体系のなかにリスクマネジメントに依拠した拘禁と監視を導入し、精神障害者の隔離を肯定していること、そして、地域監視体制を構築していくことの先導役を医療観察法が果たしていることが改めて確認されました。

 つづいて、弁護士の池原毅和さん、精神科医の富田三樹生さん、精神保健福祉士の大塚淳子さんによる、シンポジウム「見えてきた法の実態と問題点」が行われ、それぞれの立場から「施行2年の今」を伝えて頂きました。

まず池原さんは、法律自体とその運用の問題点を主に以下の点にまとめてお話くださいました。@鑑定入院中の医療のルールが法に欠落している……鑑定入院中に何が出来て何が出来ないかが不明確なため、担当者らが責任を押し付けあって、鑑定に必要と思われること(通院処遇による治療可能性を見極めるための外泊など)や鑑定中に必要である治療が適切に行われていない。A医療観察法による強制医療の要件が曖昧……要件とされる「疾病性、治療反応性、同様の行為を行う具体的・現実的可能性」のうち、「同様の行為を行う具体的・現実的可能性」が大幅に拡大解釈されて、「将来何らかの逸脱した行為を行う可能性」になってしまっており、医療観察法の保安処分性を示している。B法の手続と法の対象となる人の病状に齟齬がある……逮捕・拘留・釈放され、措置入院を経て順調に社会復帰に向っている人が、後に医療観察法の適用になり、鑑定入院からやり直しのような事例も出ている。また、社会復帰期を閉鎖病棟で過ごすことにも問題がある。

次に富田さんは、日本精神神経学会が医療観察法反対運動を経て、現在、医療観察法に「関与しながらの批判」という立場にあることからお話くださいました。この立場の背景には、精神科医療がこれまでも司法と無関係に存在してきたわけではないことを踏まえた批判が必要であること、また現在、精神保健福祉法下での医療も医療観察法と密接にリンクし始めており、臨床の立場では「関与しない」ということがありえなくなっていることといった認識が感じられました。さらに、医療観察法の運用に見られる問題点として、人格障害については責任能力ありといわれており、また治療反応性の要件に照らしても法の対象でないとされているが、医療観察法の指定入院機関である国立武蔵病院に入院となった事例があることを紹介し、今後、人格障害も医療観察法の対象にという論が出てくる可能性が高いことを指摘。医療観察法の下で責任能力概念が曖昧化し、司法の手のひらの上で精神科医療が下手に使われてしまう、予算配分も偏っていることなどを問題提起されました。

最後に大塚さんは、現在、医療観察法の通院・地域処遇の問題のみなならず、より広く地域精神保健福祉体制の不備が露呈していることをお話してくださいました。まず、医療観察法の施行後、2006年4月には障害者自立支援法が施行され、地域格差が問題化していること。さらに、医療観察法の施行にともない設立された「日本地域司法精神保健福祉研究会」に関与している立場から、日本更生保護協会を中心に地域支援活動モデル事業が進められていることを紹介しつつ、そこで見えてくる課題は精神保健福祉一般に通じるものであるが、管轄が厚生労働省か法務省かで明確でなく複雑になっていること、社会復帰調整官の数が少なすぎること。以上のような問題点を整理して説明してくださいました。

三者の報告を受けた質疑応答では、医療観察法体制に関与しながらの問題点の指摘に終始せず、法の廃止に向けた見通しを示してほしいといった意見があがりました。これについて報告者からは、見通しが暗いからこそ目の前の問題点を整理する機会として今回のシンポジウムを位置づけた、安易に明るい展望を語ることのできない状況に至っている、社会全体が危険というものに過度に反応するようになっている今、問題を共有するための連携をつくることをしなければならない、などの回答がありました。

法の廃止の困難性を改めて感じる内容ともなりましたが、各地からの参加者の発言では、反対運動継続の重要性が確認されるほか、「退院支援施設」などの新たな隔離施策との闘いも示されました。今後、法の改悪も懸念されるなかで、問題点を整理し、議論を蓄積していくことは不可欠です。それゆえに今回の集会のように、さまざまな立場から意見を出し合うような機会は大切だと思います。毎回のことながら、時間が足りなくなってしまったことが惜しまれました。(永井)



心神喪失者等医療観察法の持つ問題点と今後
                        龍眼   2007/7/29

今月で施行2年を迎える心神喪失者等医療観察法は現行法体系にいかなる影響を及ぼしているのかを挙げる。
    1. 法律体系の中に危険性予測=リスクマネジメントを理由とする拘禁と監視を持ち込んだ。すなわち治るまで? 出さない、出しても監視する。
    2. 適正手続きを満たさない、事前の証拠整理、戦前の刑事訴訟法の手続きの方法を採用した。これにより事実審理における弁護士=付添い人の無力化を諮った。
    3. 法廷に被害者の立会いを認めた。
    4. 関連する他の法律(精神保健福祉法、自立支援法、刑法等)と密接して不可分一体に運用されており地域監視の露払いとなっている、が各法律のあり方として整合性が取れているとは言い難い。
    5. 微罪適用や再審、損害賠償などの問題があり法律の運用として不備がある。
    6. 刑法39条鑑定(心神喪失鑑定)と医療観察法37条鑑定(医療必要性鑑定)が錯綜している上に実際上39条鑑定はきちんと行われないばかりか、概念上もあやふやである。

主要な全体としての問題点は、次の2点である。
    1. 精神障害者を隔離拘禁することにより成り立ってきた今までの精神医療のあり方を肯定し、精神障害は危険なものという差別偏見を助長している。
    2. 法に触れる行為をしなければ、手厚い(=金の掛かった)精神医療は受けられないという倒錯した現実になっている。

今後に亘る問題点として
    1. 施設が機能分化してゆく可能性と際限なく増殖していく可能性がある。
    2. 今後、施設内30年以上などという当事者が出る可能性が排除できない。

結語
昨今の刑事政策の厳罰化に対抗し、リスク管理と予防拘禁、被疑者立会い、証拠の事前整理の先駆けとなっている矛盾に満ちた医療観察法をまず粉砕しよう。



集会に寄せられたメッセージ
メッセージ 
     保安処分病棟に反対する有志連絡会
               
代表 高見元博

集会に集まられた皆さん。
保安処分=「心神喪失等医療観察法」施行から2ヵ年、法の矛盾はますます明らかとなっています。保安病棟の医師の8割が、この病棟に来るべきでない人が送り込まれて来ていると感じているという状況があります。また、「人格障害」とされた人が、保安病棟の医師が「治療の対象ではない」として退院請求をしてからもなお8ヶ月退院できなかったという事例もあります。この人の場合実に1年2ヶ月も何の理由もなく収容されていたのです。保安病棟が「予防拘禁と不定期刑」を科すばかりか、無実の囚人を生む装置であることを示す実例です。
関西の状況について訴えます。
奈良県の国立病院機構松籟荘病院では、許せないことに、4月19日に建築業者が決まり、20日に着工されました。4回以上に及ぶ公開入札でも業者が決まらず、随意契約によって業者を決めるという、きわめて不透明なやり方をしています。入札が不調だったのは、業者が地元対策費を上乗せしているからだと言われていました。随意契約で業者の要求する高額な建築費を支払ってようやく着工にこぎつけたのです。私たちは、地元住民に、建設中止と法の撤廃を勝ち取ろう、そのためには、差別的反対論をのりこえようと訴えています。地元では露骨な差別主義者が条件派となり建設を推進している、という状況があります。絶対反対を貫くには差別主義を乗り越える必要があるのです。
大阪では府立精神医療センターに当面5床が建設されることになっています。これについても反対の運動をしています。いまだに計画案さえ許さないという完全阻止です。
このような中、関西での「精神障害者」のための医療拠点である木村クリニックに国家権力が破壊攻撃を仕掛けています。まったくのフレームアップで病院の事務長を不当逮捕し、長期拘留しています。院長の木村医師に対しても逮捕を画策しています。木村クリニックが精神医療改革の前線拠点であり、保安病棟建設阻止の拠点になっていることから、それを潰すためのフレームアップであることは明らかです。私たちは、医療拠点を防衛し、木村医師を防衛して権力の不当弾圧を粉砕していく決意です。
すべてのみなさん、ますます追いつめられて乱調をきたしている国家権力の暴虐を許さず、保安病棟建設阻止・廃止、医療観察法の撤廃を勝ち取りましょう。


【施行2年の今、医療観察法の廃止に向けて7/29集会】への連帯アピール
              富山「精神障害者」問題を考える会(世話人:四十物和雄)
                連絡先:〒930‐0862富山市有沢811市営住宅7−102
                Tel/Fax:076−422−0039
7,29集会に参加された皆さんに、富山から連帯のアピールを送ります。 私たちの会は、規模も小さく、会員の状態も不安定な中で、たいした活動が 出来ているわけではありません。余りにも微弱な存在のままですが、「存在することが力」という信念で、マイペースで活動を続けています。
日精協副理事、富山最大の精神科病院院長T氏は、「医療観察法」制定推進 の旗振りを努めて来ました。そして現在では、「医療観察法」通院施設を積極 的に引き受けると共に、「患者の社会復帰」を推進する先端病院として名を売 りだして来ていました。ところが、実態はその逆で富山の民間精神科病院で は、患者さんに対する「家族・親族以外」の人の「面会制限」が、当たり前の ように実施されています。主治医や管理者の「病状の安定のため」という口実で・・・・。「いつになったら病状が安定するのか?医師としての力量が問われているのはないのか!」というコトバを「最後の切り札」として温存しながら、駆け引きで頭を悩ましているのが、私たちの現状です。また、退院できたとしても、居住地や収入の道、孤立を防ぐ人間関係の確保が難しい(このあたりは全国どこでもそうでしょう)厳しい現実です。当たり前になされるべきことがなされていないのです!これが医療観察法施行後にレベルアップされるといわれてきた精神科医療の実態です。かえって、人と金の削減によって、日常医療の質が劣悪になって来ている様な気さえします。(勿論「障害者自立支援法」施行との関係があるわけですが)
もう一度〈医療観察法制定―施行〉の時代的意味を再考してみます(詳細は、是非本集会において議論を深めていただきたい)。
フーコーの言うように、それまでの「人々を放置する」ものから、学校・監獄・病院へ「閉じ込め、飼いならし、利用=動員する」ものへと、権力のあり方が転換していったこと。近代医療は、その重要な一翼を担ってきました。その結果、国家によって「役立たない、とされた人々」が隔離の対象となり、日本では、ハンセン病患者への隔離=収容や、感染病患者への検疫=隔離という悲劇を生み出して来ました。患者そのものの治癒は低く扱われ(結果的に治療 可能なら良い位の扱い)、(富国強兵)社会の防衛が優先されたのです。その極限として優生学による集団そのものの絶滅(断種。ドイツでは大量安楽死までなされた)が図られた事も明記しておきましょう。日本では主要にハンセン病者がその対象でした。かかる医療の社会防衛機能(現代ではリスク管理などと称していますが)の継続を、今日まで最も明瞭に示して来たのが「精神科医療」だと思います。病気の原因も根本的治療法も明らかでないのに、「社会防衛」の一翼(勿論、その中には刑法39条のように「病」によって刑事責任のとれない人々を「救済」してきた面はあるにせよ――代わりに「強制的に『病』を治すことが求められて来ています」。ところが根本的治療法などないのです、精神科医療自体が隔離を本質としていることから脱却していないのですから。長期入院が「正当化」されてしまう傾向や、病院が管理できない人は放置する、という事態が当然生じるわけです)を担うために、「隔離(―収容)」と「薬漬けによる『無害化』=人としての活動性の劣悪化」がメインをなして来た、と思っています。そのことを別の角度からみれば、「病者」治癒のためではなく、社会からの「あぶれ者」「変わり者」を収容する空間として病院を機能させてきたのが、「精神衛生法」による行政・日精協癒着体制でした。その行き着く先が宇都宮病院患者虐待=殺害事件だったことは、集会に参加されている方々の大半は共有されておられることと思います。その宇都宮病院が未だに存続していることに象徴されているように、近代医療とその権力のありように迫る批判がなしきれていないが故に、「ノーマライゼーション」を旗印にしながらも、実質は時代を反映した社会防衛策が継続しているのです。
高度資本主義(グローバル化)の時代においては、社会防衛の機能は、人や金の動きのウルトラ流動化に見合って、「隔離収容政策のコスト」の削減を不可欠のものにし、「開かれた隔離」の様式に変わり始めているようです。「薬物療法」の「発展(?)」による急性症状の鎮静化がほぼうまくいくことによって、リスク(危機)ターゲットを集団ではなく個人に絞り、予防を中心にした身体情報監視システムへと移行していこうとしているようです。その実験場が医療観察法施行や更生保護法制定化だと、私たちには思われます。ここでも問題は、個人の病気の治癒ではなく、「健康危機=社会危機」の技術的かつ政治的解決です。人格障害や性的障害(エセ医療概念であることは一目瞭然)が前面に出てきているのが、その象徴だと思います。勿論「治療法」も「矯正法」などありません!「社会防衛」の刑事政策から「精神医療」を再び利用しようとするもので、かれらを「見えない檻」で一生涯監視していこうとしているのです。更にそれを全ての人々に拡大していこう(「健康増進法」による「健康の義務化」を梃子に)と、「病気=社会的リスク」観からする「(病気)非常事態の常態化」がなされようとしている感がします。また、この監視の視線からは、ありふれた傷病は「医療」の眼差しからは消えて行く=排除されていく、ということでしかないでしょう。(日常的な精神科医療への予算配分削減を見よ!)近代医療の二極化(社会防衛としての危機監視型と、医療の眼差しから消し去られる「医療」との分極化)の進行によって、忘れ去れようとする病者の側の思いを消し去ってはならない、と思うのです。「当たり前の医療やケアをなせ!」といい続けることが今ほど求められていることはないのだと思います。差別の再生産を断つには、まず病者が安心して生きていける状態をつくることが必要不可欠ではないでしょうか!
それを大きく阻害している様々な隔離=監視システムや「見放し」に抗し、声をあげ続けて行く必要があります。「観察法(施設)」内外の入院・通院患者の、生きるための試みと連帯し、共に生き、共に闘いましょう!


「心神喪失者等医療観察法」に対する松沢分会の態度
2007年7月20日
中田 孝行(都庁職病院支部松沢分会長)
松沢分会は07年6月29日に第43回定期大会を開催しました。
大会は、私たち都庁労働者を取り巻く厳しい情勢、とりわけ都民と都庁労働者敵視政策を進める石原都政との断固たる闘いを確認するとともに、医療・保健・福祉に関わる取り組み課題と同時に、引き続き精神医療改革の取り組み、「心神喪失者等医療観察法」に反対することなどを全体で確認したところです。(「医療観察法」関連については松沢分会の運動方針の抜粋を添付しています)
もとより、大衆組織であり松沢病院に勤務することを共通項とする松沢分会と、松沢病院の職員の中にはさまざまな考えがあることは当然のことであり、前院長をはじめとして「医療観察法」の積極的推進を求める人、「法ができた以上やむを得ない」「収入増になる」等々の「消極的推進」を求める人などがいることも承知しています、しかしながら、松沢分会としては、決定された方針に基づき、今後とも「医療観察法」の持つ本来的な問題性や運用における問題点などを明らかにしながら、この法律の凍結と精神保健福祉法及び精神科医療にかかわる職員配置の低水準などの見直しを通じた精神医療・保健・福祉の全般的引き上げを求めていきます。
8月に開催される自治労衛生医療評議会総会では、「医療観察法」の凍結を含めた自治労としての取り組み方針を決定する予定であると聞いています。
松沢分会は、「医療観察法」に反対であることを明確にし、「ご近所フォーラム」などで培ってきた、当事者を含む多くの方々との意見交換や共通する取り組みの強化を今後とも進めていく決意です。



新たな保安処分との対決へ
――法制審議会の動向――

■ 法相の1行諮問を受け、昨年秋以来、法制審議会で、薬物犯罪者・性犯罪者・人格障害者などを対象にすると称して本格的な保安処分新設に向けた審議が行われている。精神障害者差別の「心神喪失者等医療観察法」は医療の仮面をかぶらざるを得なかったが、それを超えて本格的な保安処分導入が策動されているのだ。  刑罰は執行によって使命を果たし刑罰権は消滅する(刑法34条の二)という、私たちの常識が全面的に覆されようとしている。憲法39条が禁じる二重処罰が公然と導入されようとしているのだ。しかしこの策動は、憲法31条によって「何人にも」保障されている「人身の自由」に関わる極めて重大な攻撃であるにもかかわらず、密室審議とマスコミの無視によって、その超危険性はほとんど知られていない。以下に掲載する「ネットワーク声明」は、心神喪失者等医療観察法との対決の経験を踏まえ、日本を収容所列島に化さんとする新たな保安処分創設策動との対決に向けて、その危険を広く呼びかけたものである。

■ 2006年7月26日の諮問を受けて、法制審議会は8月14日総会で「刑務所被収容人員適性化方策に関する部会」を設置し、精神障害者や労働者・市民の反対の声を無視して、審議を強行している。以降「第2ラウンド」に入るとされているが、衆参ねじれ国会のなかで、答申―法案化に至るのかはなお不透明なままである。先行的に反対の声をあげ葬り去ることが問われている。
    ・第1回会議 2006年 9月28日 諮問全体の説明と討議手順
    ・第2回会議      11月02日 社会奉仕を義務付ける制度導入の可否
    ・第3回会議      12月15日 社会奉仕命令とその他の社会内処遇
    ・第4回会議 2007年 2月05日 刑執行終了者に対する再犯防止策
    ・第5回会議       3月23日 中間処遇制度の在り方、および保釈の在り方
    ・第6回会議       4月27日 海外視察報告:イギリス
    ・第7回会議       6月22日 海外視察報告:ドイツ
    ・第8回会議       7月20日 海外視察報告:フランス
    ・第9回会議       9月27日 海外視察報告:アメリカ
「刑執行終了者に対する制度」を新設する根拠(立法事実とその刑法理論)を明示することなく進む法制審審議を許すな!新たな保安処分策動を医療観察法ともども打ち砕こう! (S)



医療観察法適用・最近の事例から

                                             
森泰一郎

最近と言っても7月のデータしか手に入らなかったのであしからずご了解下さい
収容終了決定は相変わらず少ない。全国4件である。一方入れる方は申し立て626に対して終局件数530である。入院決定が302通院決定111件負処遇が98件却下15取り下げ4となっている。
対人口比で多い所があり、東京申し立て67,埼玉申し立て37,一方で東京入院決定35に対して埼玉は18である。これはいい部の精神科医の分析では付添人と鑑定医の接触が現住に統制されているからだといている。他にも県ごとのバラツキがあり実態を解明する必要がある。
もうひとつは拡大解釈である。
たとえば強制わいせつで収よれた人が、窃盗をはたらくかもしれないという理由で拘禁され続けるという事態である。そもそも「同様の行為」はいかにも曖昧で切迫した国会状況で向こうの退却とみていたが、「殺人」の「再犯」は「殺人」以外ではないが「同様の行為」なら「傷害」も対象になる(これは他でも書いたが)
大阪中宮病院では小規模ベッド数で9月10に開設した。
朝日元議員が言っているように、、当初全国24ヶ所といっていた政府だが全国47ヶ所と言い出した。これからは自治体労働者との共闘が問われえるだろう。



                                        

パンフ紹介

☆「シンポジウム:心神喪失者等医療観察法のある社会を改めて問う」
「保安処分法施行1年心神喪失者等医療観察法のある社会を改めて問う」06年7月15日集会のシンポジウムをまとめたパンフです。
シンポジスト:市野川容孝さん、池原毅和さん、大賀達雄さん 龍眼さん
B5 39ページ 300円(送料80円)

☆ 「改めて予防拘禁法を問う」
内田博文さん講演録
A5判 18ページ 100円(送料80円)

☆閉じ込めないでもうこれ以上
B5判16ページ(本文14ページ)のイラスト満載の分かりやすいリーフレットを作りました
200円(送料はなし、できるだけ10冊以上のお買い求めを)
いずれもお申し込みはネットワークまで

☆ 心神喪失者等医療観察法の資料収集公開のホームページができました。
医療観察法.NET   
http://www.kansatuhou.net/
趣意書より引用
私たちは、医療観察法自体の問題、その運用の問題、「医療観察法」を通して見えてくる現代の精神科医療保健福祉の問題と、司法と精神医学の関係など、全体を見渡すことができる情報ホームページが必要と考え、2003新聞意見広告に寄せられた多くの人の志を引き継いで発展させていくために、医療観察法. NETを立ち上げることにしました。このサイトを通じて、当事者、家族、精神科医療従事者、司法関係者、精神保健福祉関係者、一般市民の皆さんとともに考えていきたいと思います。

以下ニュース掲載の添付資料はこちらからPDFファイルダウンロード



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