世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク
ニュース

第1号 2007年2月
私たちの公式ニュースWNUSPニュース創刊号です。今会は国連で最近採択された条約、障害者人権条約(略称CRPD)を特集します。

主な内容は、精神障害者である私たちの生活に条約が与える影響についてのティナ・ミンコウィッツのインタビューです。ティナは、国連に設けられた特別委員会の多様な会議に私たちの代表として参加してきました。また彼女は国際障害コーカス(ICDInternational Disability Caucus障害者が参加する調整および討論提案などのための組織として条約の草案作りや交渉を行ってきました 編集者注)を代表して、条約の国連総会での採択にあたってもスピーチを行いました。これは、国連総会においては精神医療ユーザー・サバイバーが、その組織を代表しそして代表として位置づけられた上で行った歴史上初めての総会スピーチでした。

条約は2007年3月30日に国連に置いて各国政府の署名が始められ、国連本部においてもまた署名式にむけ準備している各国における国連機関においてもさまざまな活動が行われることでしょう。

ニュースの次の項目は、条約作成の過程に参加してきた、あるいはユーザー・サバイバー運動の立場からこの条約について各国政府に働きかけを積極的に行ってきた、世界各国からのさまざまなユーザー・サバイバーの声です。

条約本文(英文へのリンク)は以下です。
http://www.un.org/esa/socdev/enable/rights/convtexte.htm
さらに、条約について概観しとりわけユーザー・サバイバーに焦点化した同時発行の第2号もお読みください。

目次
目次

1 世界中の精神障害者への障害者人権条約がもたらす影響というのはいったいどういうものですか? この条約で精神障害者の現実の生活に変革がもたらされるでしょうか?

人権侵害によって傷つけられてきた私たちにとって、その人権侵害を賠償する始まりとなります。自分自身で選んだ支援を得たうえで尊厳をもって生きる権利を私たちは求めていますが、こうした要求を満たす約束をしているのが条約です。

条約は人権条約であり、それは各国政府を拘束することになります。そして国連の諸機関において私たちの人権を解釈するための基準となります。条約において新たな義務に政府として同意したことは広範囲にわたる影響を持つことになります。

最も重要なことは、他のものと平等に障害者に対して法的能力を認めることを条約が各国政府に義務付けたことです。これは精神障害者に関する法のやり方を180度転換させるものです。なぜなら、法は自己決定能力がないと私たち精神障害者をみなしてきたがゆえに、法は私たちを保護するというよりはるかに抑圧する道具であり続けてきたからです。あらゆる局面において法による平等な保護を望むことがいまや可能となったのです。そして精神障害者であるとみなされるや否や自分の権利が奪われてしまうのでは、というおそれなしに、支援を求めることが可能となるのです。

2 障害者人権条約を実現するために世界各国政府はいかなる行動をとるのでしょうか? そしてそれに伴い何が実現するのか、についてあなたは楽天的ですか?

法的能力は法体系の多くの分野に影響する問題ですから、条約が満足する法体系に変えていくことは複雑な仕事となるでしょう。同時に、各国政府がしなければならないことは、個々人の求めに応じそして個々人の選択を尊重する良質な支援を、意思決定する際に支援を求める人に、保障していくためのプログラムの開発です。

条約の履行についての法制度や政策の開発において、そして障害者に影響する他の政策決定に関しては、各国政府は障害者団体と緊密に相談をすることが求められています。

条約を批准する前に法制度の変革が必要な国もあります。こうした国において最大の影響力行使を願うのであれば、批准の段階で自分たちの主張を持ってこの過程に参加していかなければならないでしょう。

ユーザー・サバイバー組織と協力した政府によって条約の履行過程が注意深く行われれば、私自身は非常に楽観的です。新たな領域に進む国も出てくるでしょうしそして法的無能力という概念なしに、支援された自己決定の体制を作り上げる国も出てくるでしょう。各地域で少なくともひとつの、よい実践的なモデルを作り上げることを私たちはめざすべきでしょう。

3 障害者人権条約の作成過程における、さまざまな政府の反応についてのあなたの印象を教えていただけませんか? 各国政府との連携を作り上げることはやさしかったですかそれとも困難でしたか?

すばらしい例外はあったものの、おおむね各国政府と連携していくことはたやすいことではありませんでした。個別課題すべてについてとまでいえませんが、全過程を通して私たちさまざまな形で支持した政府が存在しました。条約12条の脚注の削除キャンペーンについては多くの政府のみならず各地からの世界的な障害者団体との全面的連携を作ることができました。

第8回特別委員会の最終段階で挿入された脚注はアラビア語、中国語そしてロシア語では「法的能力」という用語は「法的行為能力」ではなくて「法的権利能力」を意味するというものでした。これは世界の一定の地域においては障害者に対する差別を認めることになってしまうものでした。行為能力こそが私たち自身に自己決定の権利を与えるのですから、行為能力は法的能力の最も重要な部分です。この基本原則に基づいた同意によって、私たちは連携して条文からこの脚注を削除するという同意を最終的に取り付けることができました。条約をめぐる交渉の初期から、それなりに平等な法的能力を認める条項はありました。そして条文において支援された自己決定モデルを強化し、さらに平等な法的能力という条項を無意味にしてしまう後見人制度を支持する条項を書かせないために闘いつづけたのです。私たちは最終的にこの二つを勝ち取ることができました。そしてこうした非常に基本的に見えることを含めてひとつの事柄のすべての局面について明確に宣言することが重要であるという興味深い教訓を得ました。

4 障害種別を越えて作業するというのはどんな感じでしたか? 他障害のグループから支援を得られましたか? WNUSPに他のグループから今後も支援を得ることが可能と思いますか?

他障害のグループと共同作業することは全体としての障害コミュニティの主張にとっても私たち自身の仕事においても両方において豊かな実りをもたらしたと考えています。

私たちは他障害のコミュニティによって開発されてきた、アクセスやインクルージョンあるいは障害の社会モデルという概念を使いこなせるようになりました。私たちの法的能力に関する作業の中でも、知的障害者とその支援者によって開発された支援された意思決定モデルが偶然にも私たちのアイデアに近いということを発見しました。理論的な立場と実践的な立場の両方からこのモデルをさらに開発していくことに、そして障害コミュニティ総体にとって中心的課題として法的能力と支援モデルを位置づけ発展させることに、私たちWNUSPは寄与したと考えます。最近の国際障害同盟(IDA 8つの国際的な障害者団体の集まりであり、WNUSPもその一員)の会議においてもいくつもの団体が、障害コミュニティ総体にとって重要な課題であるとして法的能力について触れていました。

国際的障害コミュニティのほうが国内の多くの障害コミュニティよりはるかに協力的な関係を持っています。WNUSPは国際障害同盟(IDA 8つの国際障害者団体の代表により構成されている)のメンバーであり、IDAは、条約の草案作成やその後の交渉過程において障害者の参加を調整する組織として活躍した国際障害コーカス(IDC)をつくりました。IDCは「私たちのことを私たち抜きにきめるな」という原則に基づいています。この原則は障害者が全体の要求として条約に影響力を持つべきであるとしたものであり、またそれぞれの団体の主張も尊重されるべきだということです。

5 障害者人権条約がついに特別委員会(国連総会の一時的な委員会で障害者権利条約について担当しその後議論することとなったもの 編注)で採択されたときのご感想は? その瞬間のあなたの思いや感じたことは?

脚注が削除されたとき、私たちは留保なしに支持できる文言を得ました。複雑な感情を持ちました。安心そして喜びと同時に苦い思いと不信も感じました。ジェットコースターに乗っていたような過去数年間の苦闘がやっと終わった。私は安心できるだろうか? この過程は私たちすべてにとって厳しいものでした。そしてよい条約が存在する新たな世界に私が適応するのにもう少し時間がかかると思います。

あなたがこのインタビューでたずねているこの条約の影響を本当に評価するためには理論的な視点から実践的な視点への転換が必要です。さらに法的同意というゴールから日常生活の現実を変えるというゴールへ、このゴールは今まで以上に達成可能となりましたが、このゴールの変換もまた必要です。私は自分が生きているうちには起こることはあるまいと考えてきたのですが、今や私はこうした変化がおきるということを想像できるのです。

6 障害者人権条約を尊重するという意味で、あなたの次の段階そして行動はなんでしょうか?

アメリカ合衆国の市民として、アメリカが条約を批准しそうもないということを自覚しています。したがってアメリカでは国内履行過程に直接参加することなしに、私たちのゴールに向けてとりくむやり方を見つけなければなりません。

強制精神医療も含めてアメリカにおいてさまざまな人権問題とかかわる枠組みとして「非暴力」を求めていくという仕事をしていきたいというアイデアがあります。人の意思に反して行われる行為としての強制精神医療は、対立と争いのあらわれです。そしてこの対立と争いは家族や地域社会において、利害や要請が対立し競合するところから生まれるのが通常です。こうした対立と争いに対して非暴力的な解決として私たちが取り上げるべきものはいったい何なのか? セイフティネットを提供すること、対立と争いの拡大を防ぐこと、こうしたことのために支援体制はいかなる役割を果たすべきでしょうか? なにかしら意識の向上に寄与できたら、というのが、今興味があり自分でもしたいということです。テロリズムへの集団的懲罰として、「貧乏人との戦争」と同時に外国への侵略が拡大している国において、私たちの声に耳を傾けさせうる枠組みとしては、非差別というよりむしろ非暴力という枠組みしかないでしょう。今政府の方針を変えることはできないところに追いやられており、こうした集団的懲罰に悩まされ続けている市民の数は増え続けているのです。

国際的には私は精神医療ユーザー・サバイバーを国際的に代表している組織であり、また精神障害者の問題において人権を専門とする指導的組織でもある、WNUSPをさらに成長させていくために活動し続けます。WNUSPは会員のそれぞれの国内における条約の履行の仕事を支援する任務があります。そして国連機関、国際的障害運動さらに人権関係の運動においてわれわれの主張をし続ける任務があります。われわれは条約の履行については全体的な展望をもってみていく必要があります。それはたとえば意識の向上、モデルプログラムや法制度の開発などを含みます。これらの活動の中で、私たちの知識を共有したり、私たちの主張を展開する人たちや各国政府に共有できる基盤となる情報を提供することができるようになります。

7 この条約の各条項で、精神障害者にとっての最大の成果は何でしょうか? あるいは最大の失ったものは何でしょうか?

生活や人生のすべての局面において他のものと平等な法的能力を12条は障害者に保障しています。精神障害者にとっての最も重要な成果はこの条文です。なぜならこの条文は、差別に対して、その根源から対立する条文だからです。12条の前提は、障害者は他の人と同じ権利を持つということです。この権利とは他の人同様に過ちを犯す権利、自分自身の人格、自分自身の望み自分自身の限界を基盤として、生きそして成長するという権利です。平等な法的能力の支援モデルは、時に支援が必要なことを認めたとしても支援はその個人の意思に反してはならないことを認識しています。私たちの運動は常に「強制ならそれは治療ではない」と主張し続けてきました。

25条のd項は他のものと平等に自由なインフォームドコンセントを基盤として保健ケアが提供されねばならないとしています。この条文は私たちが治療を受け入れるあるいは拒否する際の自己決定の権利の尊重を強化します。政府は、障害を理由とした差別は許されない、同意のない治療を防止する義務を持つのです。

19条は他のものと平等に、選択によって地域で暮らす権利そしていかなるかたちであれ特定の生活様式や施設の中で生きることを強いられない権利を確立しています。行き場がないために施設で暮らしている、あるいは強制的に施設収容されている何千もの精神障害者の脱施設化を命じています。政府は地域社会で支援が得られるようにせねばならず、また障害者の地域生活の権利を実現する有効な方策を採らなければなりません

14条は他のものと平等な自由の権利を保障しています。そして自由の剥奪については非差別と合理低配慮を保障しています。このことは精神医療におけるあらゆる形態の拘禁の終末への基盤と刑事司法体制下に置かれた精神障害者に非差別の視点から問題指摘する基盤を与えてくれています。

17条は他のものと平等な身体的精神的インテグリティを尊重される権利を障害者に対して確立しています。インテグリティは精神医療ユーザー・サバイバーと他の障害者にとっては、非常に強い感動をもたらします。そして私たちはこの条文を15条の拷問からの自由とともに、強制的精神医療と有害な実験的治療に異議申し立てするために使うことができます。

8 障害者人権条約は先進的な中身であると誰もが言っていますが、あなたも同意しますか?

条約は先進的です。なぜなら今ある現実を乗り越えて、よりよいものへ向かって努力することを条約が各国政府に求めているからです。その中には法的能力の分野のようにいかなる政府によってもよい実践モデルがいまだ出されていないといった分野もあるのです。私たちは市民団体(精神医療ユーザー・サバイバーと知的障害者から)から生まれた支援された意思決定というモデルそして法制度、政策そしてプログラムにおける必要な変革を作り出すための取り組みもしています。WNUSPはこの支援された意思決定というアプローチを強く主張しましたし、成功したことを大変喜んでいます。

9 条約作成過程におけるWNUSPがどんな役割を果たしたか説明してください。

2002年メキシコ政府が招集した専門家の前段会議のときから、最初の特別委員会に向けて準備しており、WNUSPは条約の発展作成過程のすべての局面に参加しました。私たちはジェネラリストとしてもスペシャリストとしても評価を勝ち取りました。つまり法的能力の主張という差別の基盤を破壊する作業と同様に、たくさんの個別の条文についてそして条約全体を概観するのについて貢献していました。私たちの主張した文言は、精神医療ユーザー・サバイバーに関する条文だけではなくてすべての条文を通し、各草案に多く採用されました。

WNUSPは国際障害コーカス(IDC)を作り上げることに参加し、IDCが単なる手続き的調整機関であったところから、それぞれの専門分野に関連した作業の多様な局面を調整する、多様なリーダーたちとともに、IDCが条約に関する障害コミュニティの有効なスポークスマンとして活動できるところにまで発展する過程にも参加してきました。

障害者が前進し自らの人権を定義することを認めさせてきた過程をWNUSPは上手に利用できました。出発した時点では私たちはどうなることかまるでわかりませんでしたが、私たちが最も深くかかわる課題を問題化し可能な限り獲得するという原則を確信していました。最終的には期待していた以上の成功を勝ち取りました。

WNUSPは特別委員会に世界中のすべての地域から人を送り込みました。その仲間たちは今条約の履行段階における権利主張の中心に位置しています。私たちはあらゆる種類の経験を纏め上げました。それらは人権主張そして法律の専門的な知識から、支援プログラムや精神保健体制へのオールタナティブの想像に至るまでの経験です。私たちはIDCの仲間と一緒に、特別委員会の会議中はもちろんその委員会の間も休みなく働き続けました。私たちは各国政府へのロビーイングのやり方を時には試行錯誤を重ねながら学びました。私たちの中には政府代表断の一員もおり、その人は私たちに情報を与え続け内側から交渉を続けるというかたちで私たちの活動に多大な役割を果たしました。

出席している人の多数にとっては異議があり論争を呼ぶとしかみなされない事柄を提起し続けながら、政府間の交渉過程について経験がほとんどないものが集まった集団であるにもかかわらず、総じて、私たちは驚くべき成果を挙げたといえます。私たちは連帯を強め、そして精神医療ユーザー・サバイバーの人権について各国政府や障害者を教育し、また私たち自身の主張により大きな焦点を当てさせました。この過程は生み出された条約同様に私たちの運動に大きな前進をもたらしたのです。

10 世界の精神障害者にどういう行動を呼びかけますか? 条約は私たちに挑戦すべき課題を与えています。他人に条約をいかに解釈適用されるべきか定義するのを見過ごしていいのでしょうか? それとも私たち自身が批准や履行の段階において、条約の作成過程でしたように闘うべきでしょうか?

誰もが何らかの貢献ができます。あなた自身の体験を意識向上のために話し始めてください。マスコミやあるいは文化的プログラムと共同作業をしてください。政府の中に同調してくれる味方を見つけてください。仕事を求めてください。あなた自身の知識を他の人と一緒に動かし分かち合う支援プログラムを作り出してください。新しい法を定め古い法を変えるか廃止することを手伝ってください。

私たちこうした過程についてたくさんのことを学ばなければなりません。でも私たちは成し遂げられます。私たちは狂っていることを誇りにしているサバイバーであり抵抗者なのです。


「今現在精神障害者に押し付けられている無能力・無資格というステレオタイプな偏見を打ち破るのに大変な努力をして、条約は要約すべての障害者に完全な法的能力を認めた。そして現実社会で変化が生まれる以前に、想像と理念の世界で変革がおきなければならない。条約は想像の世界を再構築するために大きな支援となるだろう」
Amita Dhanda, India  アミタ・ダンダ インド


「私は精神医療における強制に抵抗するために使いこなせるに十分な強い、(少なくとも今までにあった何よりもずっと強い)道具として条約に期待している。正しく履行されるならば、ユーザー・サバイバーと「精神保健体制」の力関係の歴史的不平等は破壊され、ユーザー・サバイバーは個人としても私たちの組織としても平等に力をつけていくことになるだろう。はるかによい世界へのビジョンが適切な履行により少し近づいてきている。そのためには私たちの運動が地域でも国際的にも成長し、体験を分かち合い学びあい、今まで行ってきた以上にもっと意識的な方法で社会変革に参加していくことが求められている」
>Gabor Gombos, Hungary ガバー・ガボス ハンガリー

「何より重要なのは条約が後見人や非自発的治療を人権の文脈においたということである。この障害者人権条約が国連の人権憲章のひとつとされることで、このことが人権と尊厳の普遍的で高い水準の基準としてなされたことが重要である。世界中のさまざまな国で私たちの闘いにおいて道具としてそして参考にして触れるものとして条約が使えるということを国連条約となったということは意味しているのだ。私たちは後見人と非自発的治療についての国内法を変えていくにはまだまだ長い道のりを必要としている。しかし条約はこの方向への非常に重要なステップである」
Maths Jesperson, Sweden  マース・ジェスパーソン スエーデン


「条約は勝利であり、世界中の精神障害者の人権を主張し保護してきたユーザー・サバイバーコミュニティーの長い苦闘の末の勝利であると考える。障害者の人権条約は他の下と平等に身体的精神的インテグリティの尊重と保護の権利をすべての障害者が持つとしている(17条)。自己決定の重要性と自分で自分自身の選択をする自由はもはや否定されることはない。次の段階は条約を精神障害者が自分自身の福利を支援するためにそして社会の平等な一員として生きるために、精神障害者とともに支援し共同作業することだと考える」
Celia Brown, USA  セリア・ブラウン アメリカ


「精神障害者の人権を保護し促進する私たちの厳しい闘いにおいて新たな基盤を条約は活動家に提供している。私たちはいまや障害に基づくすべての差別を禁止する国際的人権法を手にしたのだ。この条約は私たち自身の選択をする権利も含んだ、私たち個人それぞれの自律を尊重すると断言している。条約は他のものと平等な法的能力の権利を認め、そして私たちが法的能力を行使するために必要な支援を認めている。条約はわれわれの自由への権利そして拷問、残酷で非人道的そして品位をおとめる処遇からの自由の権利を他のものと平等に認めている。条約は私たちの身体的精神的インテグリティの尊重を他のものと平等に宣言しており、私たちがどこに住むか選択する権利を宣言し、そして特定の生活形態や施設に住む義務を否定しテいる。さらに自由なインフォームドコンセントを基盤とした医療への権利を宣言している。私たちは他障害の人権活動家との連携を今まで以上に恭子に作り上げ、世界中でこれらの条約の言葉を紙の上から現実のものへと変えていく闘いを共にするユーザーサバイバー運動に指導者を育てていく」
Myra Kovary, USA  マイラ・コバリー アメリカ


「ユーザー・サバイバーの努力によって、私たちに障害者の権利と尊厳をもたらす世界の法的枠組みを与える条約として生まれた。私たちは今や私たち自身の国で条約を有効にしていく責任がある。私たちはサバイバー(生還者)である!」
Elena Chavez, Peru エレナ・シャヴェッツ ペルー


「『ピープルファースト私たちはまず人間だ』がいまや条約により実現した。私たちはすべて人間であり、そして他の人と平等な人権を持っている。条約は強制のない、今ある世界に代わる世界を実現していくだろう。条約をつかってそして国内法体系を作り上げることで、私たちは差別と戦い、私たちの求める支援を得て地域で暮らし社会に平等に参加していく。私たちのことを私たち抜きに決めるな!」
Mari Yamamoto, Japan 山本眞理 日本


「精神障害者とレッテルを張られた人々をどのようにとらえ、そして処遇するかのやり方を再検討し始めるために、感激的な機会を国連条約は世界にもたらした。私たちにとっては継続的な何が役立ち(そして何が役立たないか)についての建設的討論を始めるときがきたのだ。そして私たちのエネルギー、そしてさまざまな社会資源を、研究をそして実践を強制的でないオールタナティブを開発するために集中していく時が来た。このオールタナティブは安全と危険、排除そして福祉の最小化というのではなくて、能力、インクルージョン、と可能性に焦点化したものである。このオールタナティブは政府や地域社会にコスト削減を約束するだけではなく、さらに私たちすべてのより広く包摂することを意図した地域社会を作り上げる可能性がある。」
Chris Hansen, New Zealand クリス・ハンセン ニュージーランド


「アイルランドでは、条約に書かれているように国内の法への影響を私たちは今調査研究している。すくなくともユーザーとして私たちに押されている烙印を削除する文書をついに私たちは獲得しただろうか? 条約は私たちが他の市民と違った取り扱いを受けるこうした烙印を削除するだろうか? なぜなら私たちは「違っているだけ」だから、これらの烙印を削除できるだろうか? 私たちはそう願う。条約が批准されたとき、私たちは平等な市民としての私たちの憲法上の人権を確立するために、妥協することのない闘いを組織することができる。」
John McCarthy, Ireland ジョン・マカシー アイルランド


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    WNUSPニュース編集 WNUSP共同議長
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世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク
ニュース

第2号 2007年2月
WNUSP第2号です。第1号と一緒にお届けします。ここでは精神医療ユーザー・サバイバーにとって重要な点を、条約全体を見通して概観します。この解説はWNUSP共同議長のティナ・ミンコウィッツによるものです。国内そして草の根の組織で条約を議論し始める会員の皆様に役立つ参考資料となることを願います。

条約本文(英文)へのリンクは以下 http://www.un.org/esa/socdev/enable/rights/convtexte.htm

障害者の人権条約
精神医療ユーザー・サバイバーへの情報

障害者人権条約の下で、精神医療ユーザー・サバイバーは完全で平等な市民として扱われなければなりません。分離され不平等な「精神科の患者としての人権」という歴史はついに終わったのです。

政府は強制的な精神保健法とその運用を廃絶しなければなりません。そして自己決定を支援し尊重し、個々人それぞれが定める、それぞれが求める福利を求めるニーズに対応した個人に奉仕するサービスを政府は提供しなければなりません。狂っているものあるいは精神保健上の問題を抱えているものは合理的配慮と支援を求めています。そしてまた強制的な投薬や電気ショック、身体拘束や隔離室監禁、あるいは施設に拘禁されることなどを含んだ、あらゆる形態の暴力と虐待からの解放されることを求めています。

精神障害者は社会の一員です。このことは精神保健専門職だけではなく社会総体が責任を持つことです。そうして精神障害者はわたしたちの地域社会の一員となることができ、また回復(リカバリー)を体験できるのです。伝統的そして先住民の癒しの方法は近代精神医学や精神保健体制よりもずっと包括的なものであることがよくあります。こうした癒しの方法を私たちは支持し学んでいかなければなりません。

平等な権利と伴い精神障害者には平等な責任があり、誤った行為に対して責任をとることから逃れることはできません。もし私たちが責任を取るのに援助が必要ならば、そうした援助こそが提供されなければなりません。

以下が精神医療ユーザー・サバイバーの完全なインクルージョンと平等を支持を支持し、私たちの自由と自己決定を制限するほうの削除を支持する条約の条項の要約です。

第1条は条約の目的の条項です。ここではすべての障害者にたいしてすべての人権と基本的自由を平等に保障しています。

第3条は条約の原則についてです。この条文は以下を含んでいます。
    ・自己選択の自由を含む個人の自律
    ・人としての多様性の一部である障害の尊重
    ・非差別

第4条は差別なく、すべての人権と基本的自由を障害者に保障しています。そして締約国に対しては国内法とその運用をこの条約に適応するようかえることを求めています。

第5条は障害に基づく差別を禁止し、法による平等な利益と保護を保障しています。さらに合理的配慮の提供も要求しています。

第6条は障害を持つ女性と少女について重複した差別に対して、この条約の人権と基本低自由を保障しています。

第7条は障害のある子供について彼らに関する事柄については彼ら自身の意見が考慮されなければならず、またそうした意見も含め表現の自由の権利を含む、他の子供たちと同じ権利が保障されています。

第8条は意識向上についてで、家庭内地域社会を含めすべての段階の社会において、障害者の人権尊重について促進することを政府に求め、偏見と有害な行為と闘うことを政府に求めています。

第12条は法の前で平等な人としてみなされることを宣言しています。また権利と決定を行う法的能力を保障し、さらに本人自身の意思と選択好みを尊重した意思決定をすることへの支援を保障しています。

第14条は他のものとの平等を基盤とした自由と安全について保障しています。さらに、自由を法により剥奪される障害者に対しては、合理的配慮と平等な人権を保障し、さらに非差別の手続き(たとえば刑法において)を保障しています。

第15条は拷問と残酷で非人道的あるいは品位をおとしめる処遇および罰を禁止しています。これには障害者に対して行われる同意なしの医学実験も含まれています。

第16条は搾取、暴力そして虐待の禁止を宣言しています。障害者に役立つ監視プログラムを計画すること、法的に正当な場合はこれら禁止されたことを訴追すること、そして被害者のリカバリーと再統合への手段が、政府に求められています。

第17条は他のものとの平等を基盤として身体的精神的なインテグリティを保障しています。

第18条は移動の自由と居住の自由を保障しています。これは国籍の権利とたとえば出入国管理の続きの過程を利用する権利です。

第19条は他のものと平等に選択に基づき地域で暮らす権利を保障しています。これはどこに誰と住むかの選択、人の生活と選択を支援するサービス入手の保障も含んでいます。

第23条は家族、親であること、結婚その他の関係を結ぶことを平等に保障しています。そして親権については親や子供の障害に基づいて奪われないことを保障しています。

第24条はすべての段階での統合教育の権利を保障しています。そしてすべての子供が、障害を理由として一般教育から排除されてはならないことを保障しています。

第25条は保健ケアとサービスにおいて平等を保障しています。これには自由なインフォームドコンセントの要求も含まれています。

第26条は障害者が全的完全な範囲で自らの才能を開発することができる手段を求めています。この手段の中にはピアサポートも含まれています。

第27条は職業と雇用に関して、非差別と合理的配慮を保障しています。また障害者に対して一般の労働市場がインクルーシブであることを確保するためにまた雇用の機会を拡大するために、差別をなくすための積極的方策も要求しています。

第28条は適切な生活水準と福祉と貧困をなくすプログラムを利用することを保障しています。そして貧困状態で生活している人に対してレスパイトケアも含め障害にかかわる費用を援助することも保障しています。

第29条は政治的公的活動への参加を保障しています。これには障害者の投票権および被選挙権も含まれます。

第30条は文化活動への参加の権利を保障しています。そして個人の創造的知的潜在能力を活用することを保障し、自らの文化的アイデンティティを尊重され支援される権利を障害者に保障しています。


精神医療ユーザーサバイバーそして私たちを代表する組織はこの条約によって以下の権利を強化されます。
第4条は条約の履行および障害者にかかわるすべての事柄について密接に障害者団体に相談することを政府に義務付けています。

第33条は政府に対して、国内において、独立した条約の履行と監視機関を作ることを求めています。監視機能は国内人権機関によってでもあるいは国内人権機関の要件を満たす独立した機関によってでも行えます。ただしこの要件はとりわけ政治的組織、すなわち政府などから独立していることが求めています。障害者団体はこの監視過程に完全に参加関与しなければなりません。

第34条から39条までと選択議定書はこの条約を監視する国際委員会の創設と責務を取り扱います。政府はこの委員会委員の候補者推薦をするように奨励されています。政府は委員会に報告をしなければならず、これらの報告を準備するに際しては障害者団体に相談しなければなりません。政府がこの選択議定書を批准すれば、人権を侵害された障害者はこの委員会に訴えることができます。委員会はまた「重大で組織的な」人権侵害については調査する権限を持ちます。この調査はもし選択議定書をその国が批准していれば、当該国を訪問したりすることも含まれます。

第32条は各国政府に対して、条約の目的を実現するために国際的な協力を拡大し行うことを求めています。そしてこの国際協力は障害者団体との連携の下になされうるのです。

第40条はこの条約の履行に関するとみなされることに関して、締約国間の会議を定めています。これは人権条約については新しい特徴で、障害者団体も含めた市民団体と政府によって情報と能力構築の定期的交換を促進することとなります。

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